近年人類は、スピードアップ化を目指し、様々な通信交通機器を開発してきました。そのおかげで、コンピューターを使って人工衛星まで飛ばせるようになりました。確かにスピードアップ化したことにより、色々な恩恵を受けることができました。これは〔功〕かもしれません。でもスピードアップ化の裏には、次のようなリスクも抱えているのです。
リスク1、
スピードアップ化は、第4次産業(観光産業・娯楽産業など)を発達させますので、人や物の往来が激しくなります。激しくなった分、交通量が増え、交通事故のリスクが増し、地球環境の汚染が進むのです。地球環境の汚染は自然災害をはじめ、様々な病気の原因になっているのです。
リスク2、
資本主義経済においては、儲けが第一ですから企業がスピードアップ化を目指すのは当然でしょう。しかし、ライバル企業も負けじとスピードアップ化を目指しますので、この利益追求競争はどんどんとエスカレートしてゆきます。でもこれは、軍拡競争を進めるのと同じで、とても危険なゲームなのです。
初め、戦う道具は素手でした。それが刀になり、鉄砲になり、爆弾になり、核爆弾にまでなったのです。素手ならば被害も少なかったのですが、武器が拡大したために被害も拡大したのです。つまり、スピードアップ化により儲けも大きくなりましたが、苦しみも大きくなったというわけです。
リスク3、
通信交通手段がスピードアップすると、時間もスピードアップするため、心にゆとりが持てなくなります。近年、仕事で自殺する人が出るようになりましたが、これはスピードアップ化が労働者を追い詰めた悲劇なのです。
昔は乗り物がゆっくりだったので、時間もゆっくり過ぎ、生活のリズムもゆっくり取れたのです。
リスク4、
スピードの遅い時代の経済は、儲けるのも遅く少なかったですが、損するのも遅く少なかったのです。しかしスピードの速い時代の経済は、儲けるのも早く大きいけれど、損するのも早く大きいのです。
リスク5、
情報のスピード化は、人と人との繋がりを短時間で密にし、短時間で複雑化させます。最近ネット上で誹謗中傷され、自殺する人まで出てきましたが、これもスピード化によるリスクの一つなのです。
当初、人類は幸せが欲しくてスピード化を目指したのです。でもその結果、苦しみを生み出したのです。これはまさに本末転倒です。
ゆっくり時代の幸せと、 忙しい時代の幸せがどれだけ違うのか? 考える時期に来ているのではないでしょうか?