市場に並べられている生活必需品は、全て奉仕労働者の努力と汗の賜物です。その意味では、全ての生活必需品は労働者そのものと言っていいでしょう。
・その生活必需品を奉仕労働者が使うのに、何か問題があるでしょうか ?
・自分の家族が作ったものを自分の家族が使うのに、何か問題があるでしょうか ?
・自分たちが作ったものを自分たちが使うのに、何か問題があるでしょうか?
ありません 。
遠慮無く、
必要な時に、
必要な物を、
必要な分だけ、
自由に持ち帰ればいいのです。これが、奉仕社会における夢の配分制度 、〔自由収得制度〕なのです。
この夢の配分制度の原点になっているのは、〔天賦権〕です。
〔天賦権〕とは、天から与えられた借用権のことです。つまり、生きるに本当に必要であれば、例え人の物(借用物だから人の物はない)であっても借用して構わない!、という暗黙の決まりごとのことです。つい最近までこの考え方は、アフリカのある地域では常識だったのです。
奉仕社会の〔自由収得制度〕は、この〔天賦権・借用権〕を応用した仕組みなのです。
ですから市場で収得する物は、みな借り物です。借り物ですから使って必要なくなったら、市場に返さなければならないのです。 でも、生活必需品の殆どは消耗品ですから、返さなくても良いわけです。
この制度を取り入れた社会では、もうお金も、物々交換も、 配給制度も、必要ありません。必要なのは、自由収得する人たちの良識だけです。
さて、奉仕社会で最も誇れる点は、奉仕労働者に差別がないことです。 田畑で働いている労働者の価値も、オフィスで働いている労働者の価値も、工場で働いている労働者の価値も、市場で働いている労働者の価値も、価値としては、みな平等なのです。平等ゆえに、どんな奉仕労働者も、差別なく、市場で、自由に収得することができるのです。
この価値の平等性は職業の価値だけでなく、能力の価値も、物の価値も、量の価値も、みな同じなのです。みな同じと言う意味は、価値を認めないと言う意味です。この価値の問題は、奉仕社会の根幹を揺るがす重要な部分ですので、次に詳しく説明したいと思います。