奉仕社会では、お金が使われていませんので、国家の組織や機構は単純なものになるでしょう。また、殆どの権限が小都市国家に委譲してありますので、中央国家の仕事は縮小されるでしょう。
例えば、国家予算がありませんので、予算審議も、予算査定も、予算配分も、予算書や決算書を作る仕事も必要ありません。また、利害得失の生まれない奉仕世界では、国家間の争いが起きませんので、国防に関する仕事も必要なくなるでしょう。また、 国内においても犯罪が激減しますので、警防や立法や司法に関する仕事も減るでしよう。したがって中央国家の仕事は、次の主要なものに限定されるでしょう。
・・中央国家の主な仕事・・
〇小都市国家群に方向性を示す仕事・・(情報収集・統計調査・分析と解析・予測・情報発信)
〇世界政府から資源の配分を受け、その資源を小都市国家群に再配分する仕事・・(世界政府が地球資源を一括管理している)
〇国会において必要な政策審議をする仕事・・(小都市国家群から派遣された代議員との政策審議)
〇国民生活(衣・食・住)に密着した、エッセンシャルワーカーを主導してゆく仕事・・
〇小都市国家群を統括・統制・指導する仕事・・
〇 奉仕労働者の意向を把握し、奉仕労働力の調整を図る仕事・・
他にも、
小都市国家群同士を結びつける仕事・・
各小都市国家の需要と供給を調整する仕事・・
国民生活の指針を示す仕事・・
などがありますが、これらの仕事はネット上で行われます。
中央国家と地方代議員との政策審議も、大方ネット上で行われます。奉仕社会の政治は、殆どがオンライン(高度な仕組み)で行われるのです 。
さて、小都市国家には目に見える国民がおりますが、中央国家には目に見える国民はおりません。ですから、国民の目から見たら中央国家は脇役で、小都市国家が主役のように見えるでしょう。でも中央国家は、小都市国家群を統括する存在として、 国の中心に君臨していなければなりません。 原子にも核があります。 雨にも核があります。 貝にも核があります。 国にも、中央国家という核が必要なのです。
核がなくては、形が維持できないからです。
その核となる中央国家は、地理的中心地の小都市国家の中に置かれるべきでしょう。