仕事の意味のところで述べましたように、仕事の本分は自分の肉体を健全に維持することです。肉体を維持するのに、高等数学がいるでしょうか? アメリカの歴代大統領の名前を覚える必要があるでしょうか? 必要ありません。奉仕社会の人たちは、そのことを知っていますので、不要な学びをしないのです。将来、専門的知識が必要になったら、その時学んだら良いのです。奉仕社会では、いつでも学べる環境が整っていますので、先んじて学ぶ必要はないのです。
奉仕社会が掲げる教育のモットーは、生涯教育です。今日のように、学生時代だけが学びの時代ではないのです。一生が学びの時代なのです。ですから奉仕社会では、親と子が一緒に机を並べて学ぶことは、決して珍しいことではないのです。
奉仕社会は、特別な場合を除いて体験教育(実践教育)が主体です。実際に生活に役立つのは、体験知だからです。どうでしょう!あなたは大学で学んだことが、社会で役に立ちましたか? 高等数学を学んだことが、社会で役に立ちましたか? 全くないとは言いませんが、あまり必要なかったのではありませんか? 本当に必要な学びは体験です。ライオンは頭で覚え、獲物が取れるようになったのではありません。鳥は頭で覚え、空を飛べるようになったのではありません。実際に体験して身に付けたのです。
知識が役に立つのは、すでに出来上がった社会でのみです。原始時代では、知識は役に立たないのです。もし、地球に何かが起きて原始時代に戻ったら、知識人はおそらく右往左往することでしょう。
確かに今の社会では、学校教育は必要で しょう。でもそれは、中学生程度の学力があったら良いのです。大学を出て良い会社に入りたいと言うのは、逃げ口上です。それは、たくさんお金が欲しいからだけでは無く、ステータスが欲しいからではありませんか? 優越感に浸りたいからではありませんか? その優越感に浸りたいために、人は競い争い苦しんでいる・・・中には、自殺までする人もいるのです。どこか、おかしいとは思いませんか?
幼い時代は、外に出て大いに遊んだらいいのです。少年少女時代は、大いに夢を追いかけたらいいのです。
どうか、仕事の目的を知ってください。知れば、誰も不要な学びをしなくなるでしょう。