奉仕社会において、人口が全国に均一に分布するようになるのは、売る必要も儲ける必要もないからです。今日どうして、大都市と小さな村や町に分かれたかと言いますと、たくさん売り、たくさん儲ける必要があったからです。たくさん売り、たくさん儲けなければならない社会では、人を多く集めなければやっていけないので、どうしても大都市化が進むのです。しかし、儲ける必要のない奉仕社会では、人を集める必要がないので、自然と均一化した小都市国家が生まれるのです。
その小都市国家における国民生活は、特殊なものを除いて地産地消によって賄われます。この地産地消方式は、エネルギーを分散させますので、環境面においても人心面においても、穏やかさを保つことができるのです。
さて、小都市国家の全ての国民は、地方公務員であると同時に奉仕労働者です。今日の社会では、国民と公務員と立場が分かれていますが、奉仕社会では同じ立場になるのです。また今の社会では、労働者の立場が、使う者と使われる者に分かれていますが、奉仕社会ではこれも同じ立場になるのです。要するに、使う方も使われる方も使う立場になり、使われる立場になるのです。自分の労働力さえ、使う立場になり使われる立場になるのですから、迂闊にも怠け心を起こせなくなるのです。
このように奉仕社会においては、全国民 が、公務員として、奉仕労働者として、国を背負う立場になるのです。ですから、 国の動向や社会の動向が、他人事でなくなるのです。
・・国民の立場・・
中央国家
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小都市国家
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国民=公務員=奉仕労働者
・・奉仕労働者の立場・・
使う者の立場=使われる者の立場
使われる者の立場= 使う者の立場
小都市国家は、殆どの権限が中央国家から委譲されておりますので、小都市国家の仕事は、中央国家以上にタフなものになるでしょう。
・・小都市国家の主な仕事・・
〇国会審議( 政策の策定・審議 ・決定)の仕事・
〇 情報収集と統計調査(国民の意向調査・ 市場の動向調査など)の仕事・・
〇生産計画と消費計画を立てる仕事・・
〇資源の配分を受け、各生産部門に資源の配分をする仕事 ・・
〇奉仕労働力を確保する仕事 ・・
〇奉仕労働力をサービス部門や生産部門に有効に投入する仕事・・
〇生活必需品を国民に配分する仕事・・ (自由収得市場の維持管理運営)
〇自然と和合した 、バランスのとれた都市建設の仕事・・
〇情報通信交通網の整備・保守・管理の仕事・・
〇文化・芸術・スポーツ振興などの仕事・・
〇自給自足を基本に置いた、農林水産業育成の仕事など・・
奉仕社会においては、中央国家の仕事・・小都市国家の仕事・・と、難しく考えなくて良いのです。なぜなら、中央国家の仕事も小都市国家の仕事も、国民生活(衣・食・住)を憂いないようしてあげることが目的だからです。それは、お金のない!欲望の生まれない!そして、あり余る労働力を手に入れた奉仕社会では、難しくなくできるのです。何せ、全国民が国家公務員であり、奉仕労働者なのですから・・・